少女に恋した悪魔

 

満月の夜 君の歌声と涙

初めての感謝の言葉は、とても暖かかった

今日も、木の上から君を見つめる

今宵も、一時だけの幻を君と共に

幸せな日々はあっという間にすぎて、まるで一時の夢のようだった

貫かれた右肩、向けられた憎悪(もう止められない終幕へのフィナーレ)

切り裂かれた翼の悲鳴が脳裏に響いて、崩れかけていく身体に悲鳴さえあげられなくて

もう君の傍にいることが出来ないと悟って

最期の望みを、叶わないと知りながら、それでも言わずにいられなかった

俺のために泣いている君に囁いた 「あ り が と う」

そして、悪魔は灰になった

 

(分かっていたんだ。この運命を、それでもオレは君の横に居たかったんだ)